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不意打ち

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2012.01.30

不意打ち

塚本ユージ クリエイター

実技1はデッサンの試験。

この傾いている机は何?
席に着いて目の前にあったものは、ドラマで見た事のある建築家が設計図を描くような斜めの机だった。
普段、水平な机の上で描いている僕にとって、一つ目の難関を突きつけられた。
僕は奮い立っていた心に少しかすり傷を負ったのを感じながら、
カバンからトンボの鉛筆数本とプラスチック消しゴムを出した。

隣の人を横目で見ると、
小型のプラスチックケースにそれはそれは大量の鉛筆が入っていて、
僕は二度見をしてしまった。
しかも見た事のない鉛筆メーカー。
見るからに上手く描けそうな鉛筆、そして複数の形の異なる消しゴムに圧倒されてしまった。

間違っていたのかも。
ここは自分のような人間の入れるようなところじゃないのかも。。。
そんな想いが頭をよぎったとき、
あの言葉たちが僕の痙攣する心をめがけて飛んできた。
「好きなだけじゃ、入れないよ」
「やめときな」

僕の心に突き刺さった。

それはまるで、隣の人が大量に持ってきていた
つんつんに削られた鉛筆に刺された気分だった。

そんなボロボロで戦意喪失気味になった目線の先には、
トタンやステンレスの入れ物など、
質感の違うモチーフたちが置かれていた。
僕は彼らにも指を差してケラケラ笑われているようで、あまり直視できなかった。

試験官の説明が終わり、
はじめの合図が耳に入った。

僕は鉛筆を持った。

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